脂質代謝がうまくいかない原因は?体脂肪が減らない人が見落としがちな3つの栄養素
「しっかり運動しているのに、体脂肪が全然減らない…」
「食事制限もしているのに、数字に表れない…」
このように感じたことはありませんか?
実はそれ、脂質代謝のメカニズムがうまく働いていない可能性があります。今回は、体脂肪をエネルギーとして使うために欠かせない「脂質代謝」の仕組みと、見落としがちな3つの栄養素について解説します。
脂質は「太る原因」ではなく、効率のいいエネルギー源
脂質=太るというイメージがあるかもしれませんが、実は脂質は1gあたり9kcalと、糖質やタンパク質に比べて最も効率的なエネルギー源です。私たちの体は、以下の3つの燃料からATP(エネルギー)を作り出します。
特に運動時や空腹時には、体に蓄えられた中性脂肪(体脂肪)が分解され、「脂肪酸」としてエネルギーに変換されます。
この仕組みがいわゆる脂質代謝です。
なぜ脂肪が燃えない?「脂質代謝」が滞る3つの要因
脂質がATPになるまでには、いくつもの段階があります。
そのどこかで「必要な栄養素」が不足していると、体脂肪はうまく燃焼されません。
ここでは、脂質代謝において特に重要な3つの栄養素をご紹介します。
脂質代謝に重要な栄養素
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- カルニチン
カルニチンが足りないと、脂肪がミトコンドリアに入れないんです。
脂肪酸をエネルギーに変えるためには、まずそれをミトコンドリア内に運ぶ必要があります。
このとき不可欠なのが「L-カルニチン」です。
カルニチンが不足すると、体脂肪は分解されてもエネルギーとして使われず、再び蓄積されてしまうことも。
目安としては、1日あたり1,000mg以上の摂取が推奨されます。
しかし、牛肉なら約1.5kg、ラム肉でも600〜700gを毎日食べる必要があるため、サプリメントでの補給が現実的です。 - ビタミンB2
ビタミンB2がないと、脂肪を燃やす酵素が働かない
脂肪酸は「β酸化」というプロセスで分解され、アセチルCoAに変換されます。その際に働く酵素「アシルCoAデヒドロゲナーゼ」を支えているのが、**ビタミンB2(リボフラビン)**です。
ビタミンB2が足りないと、脂肪は分解されても途中で止まってしまう状態になります。
1日あたり50mg以上を目安に、意識的に摂取するようにしましょう。 - コエンザイムQ10
コエンザイムQ10がないと、エネルギーが完成しないんです。
アセチルCoAはクエン酸回路に入り、最終的にATPへと変換されます。
その途中で必要になるのがコエンザイムQ10(CoQ10)です。
電子を伝達する「ベルトコンベア」のような役割を担っており、これがなければATPが作られません。目安摂取量は100〜120mg/日。
特に注意が必要なのはスタチン(コレステロール低下薬)を服用している方。
この薬はCoQ10の合成を阻害するため、服用タイミングに注意が必要です。
- カルニチン
カロリー通り痩せないのには理由がある
脂質代謝がうまくいかないと、どんなに運動をしていても、どんなに食事制限をしていても、体脂肪は燃えません。
以下の3つの栄養素が、脂質をエネルギーに変える“鍵”です。
「ちゃんと食事制限してるのに痩せない…」という方は、ぜひこの3つの栄養素を見直してみてください。
カロリーだけでは測れない「代謝の土台づくり」が、ダイエット成功の近道です。