タンパク質は筋肉をつけたい人だけのものではありません。
人間に必要不可欠な栄養素“タンパク質“
「タンパク質って筋トレしている人が多く摂るものですよね?」
こうしたイメージを持っている方は少なくありません。
確かに、筋肉の材料になる栄養素としてタンパク質は有名です。
ですが、実はタンパク質の役割はそれだけにとどまりません。
髪・皮膚・血液・酵素・ホルモン・免疫細胞・・・私たちの身体のほとんどはタンパク質からできています。
つまり、筋肉を鍛えていなくても、健康的に生きるために絶対欠かせない栄養素なのです。
体の“構造“を作り、“機能”を支え、“修復”もしてくれる万能な素材です。
人間の身体は60兆個の細胞で構成されています。その1つ1つの中には、タンパク質がぎっしり詰まっています。たとえば、以下のような部位にタンパク質は使われています。
・筋肉(筋タンパク)
・肌、髪、爪(ケラチン)
・血液(ヘモグロビン)
・内臓(肝臓、心臓など)
・ホルモン(インスリンなど)
・酵素(消化酵素、代謝酵素)
・抗体(免疫物質)
これらは日々、使われ、壊れ、再生されていくものです。つまり、タンパク質は“補給し続けなければならない材料“でもあります。
特に重要なのが、必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸。これらは体内で合成できないため、食事から摂るしかありません。
また、タンパク質が不足すると、「筋肉が落ちる」だけでなく、免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れ、肌荒れ、髪が抜ける、集中力低下など、見た目にも体調にも大きな悪影響を及ぼします。
「タンパク質不足」ででる身体の不調
実際にこんな声をよく耳にします。
「なんか最近疲れやすい」
「髪が細くなった気がする」
「風邪をひきやすくなった」
「肌が荒れやすくなった」
こうした症状の背景に、実はタンパク質不足が関わってきていることは珍しくありません。
たとえばダイエット中に「カロリーだけ」を気にして炭水化物ばかりに偏った食事をしていると、知らないうちにタンパク質が不足してしまいます。
その結果、筋肉量が減るだけではなく、代謝が落ちダイエットもうまくいかないなんてことも、、、
リバウンドしやすい体質にも、、、
また成長期の子供や、妊娠・授乳期の女性、高齢者などは、特にタンパク質の需要が高いにもかかわらず、十分に取れていないケースもあります。
さらにタンパク質は摂っている”つもり”でも、1日で必要な量を摂れていない方がほとんどなんです。
厚生労働省が示す目安は、成人で「体重×1.0」ですが、健康維持や運動をしている方であれば「体重×1.5〜2.0」が推奨されます。
たとえば体重60kgの人なら、最低でも60g。最低でも90〜120gが必要です。
卵1個あたり約6g、鶏むね肉100gで約22g、豆腐1丁で16g程度です。
日々意識して摂らなければ、摂れない量なんです。
タンパク質はすべての人の「健康維持」に必要な”身体の土台”です。
タンパク質は単に「筋肉をつけたい人」が摂るものってわけではありません。
全ての人の肌、髪、血液、免疫、ホルモンの”材料”であり、「健康に生きるための土台」となる栄養素です。
不足すれば、表面的なトラブル(肌荒れや抜け毛)から、体調不良、免疫力の低下、ホルモンバランスの乱れなど、深刻な不調につながります。
「最近体調が悪い、、、」と思ったら、まずは食生活を見直して、1日あたりのタンパク質量を計算してみてください。思っているより足りないことに気づくかもしれません。
そして肉、魚、卵、大豆製品など、できるだけ”良質なタンパク質”を意識して摂ることが大切です。
タンパク質は、体づくりのすべての基礎。毎日の食事でしっかり補給して、健康な未来を手に入れましょう。